リスキリングは60代からでも全く遅くない←シニアの転職市場の盛り上がり

リスキリングは60代からでも全く遅くない

60歳定年制が見直され、今や「70歳定年時代」。そのため、定年後の選択として、再就職を選ばれる方もたくさんいらっしゃいます。

今まで会社を支えてきた人材が、同じ会社で今後も活躍してくれる。または、別の会社に再就職して、今まで培ってきた経験を十分発揮してくれる。

これは少子化で人材不足の現代社会において、とても大きなメリットです。では、再雇用や再就職で、有利に働くために何が必要なのでしょうか?

生涯現役のために意識することは、60代からもリスキリングでキャリアアップすること。そのため国も、高年齢者のリスキリングを支援しています。

でも、リスキリングは50歳までじゃないと間に合わないって聞いたことあるな

次の一歩のために、60代からリスキリングで学び始めている人は増えています。

60代からのリスキリングは定年後再雇用を成功に導く

60代からのリスキリングは定年後再雇用を成功に導く

ではさっそく、リスキリングを始めましょう。

ちょっと待って!!
頭の回転も鈍くなってるし、新しいことを学べるか心配

確かに年を重ねると、とっさに何かを思い出したり、新しいことに素早く対応したりするのが、難しいと感じます。

それは、新しい環境へ適応するための知能が、徐々に低下してくるから。
知能は「流動性」と「結晶性」があり、加齢による変化に違いがあることが分かってきました。

流動性知能
感覚が優れていたり、図形を処理する能力や、未知なる状況へ適応するため、情報を素早く手に入れ、処理したり操作したりする知能。
ピークは25歳ごろ。65歳前後から低下していくといわれる。

結晶性知能
言葉に関係する能力や、正しく状況を判断する能力、人と人との円滑な意思疎通など、これまで経験したことや学習したことなどから手に入れた知能。
この知能は上昇しつづけ、高年齢になっても安定しているといわれる。

参考:モヤモヤり〜だぁ〜ず

60代リスキリングのポイント

学習する分野を選ぶことで、60代からでも能力をいかすことができるのです。

簿記・パソコンのスキルがあれば今の社会で十分活躍できる

60代からのリスキリングは、今まで経験してきた仕事に関連する内容に、プラスアルファの学習が最適。

では、どのような分野をリスキリングすればよいのでしょうか。

簿記2級など

宅建やTOEICなどと並び、日商簿記は企業からのニーズが高い資格です。
就職に役立つ資格・検定ランキングでは、なんと!3年連続で日商簿記検定が第1位

簿記や会計の知識は、データ管理や、数字に対する正しい理解力に役立ちます。資格として取得しておけば効果的なアピールポイントに。

2級以上持っていると、即戦力と見られ、書類選考で有利になる可能性が高まります。

参考:「日本の資格・検定」就職に役立つ資格・検定に関するアンケート調査

MOS(マイクロソフト オフィススペシャリスト)など

MOSは、マイクロソフトの製品が取り扱えることを証明する民間の資格。
全て受ける必要はありません。自分に必要なソフトだけ受ければいいので、勉強の負担も少なくて済みます。

マイクロソフトオフィススペシャリスト試験科目
MOS公式 マイクロソフト オフィススペシャリスト より引用

パソコンのスキルは、仕事を続けるためになくてはならないもの。スキルアップのためにMOSを受けることを、おススメします。

パソコンの操作を学んだら、再就職に役立ちそうだな

70歳への定年引き上げへ←60代からでも学び続ける必要がある

70歳への定年引き上げへ←60代からでも学び続ける必要がある

少子高齢化が進み、この先、多くの企業が人材不足に陥る可能性が考えられます。また、高年齢でも現役で仕事を続けたい、という声が多く聞こえるようになりました。

そのため国は、社会経済の活力の維持と、高年齢でも働く希望を持っている方が、能力を発揮できるように、高年齢者雇用安定法を一部改正。
令和3年4月1日より、事業主は70歳まで働けるための、就業機会確保の努力をしなくてはいけなくなったのです。

今はまだ努力義務ですが、70歳定年が義務化されるのは、遠い未来の話ではありません。
そのために、60代からでも学び続ける必要があるのです。

改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月1日より施工

雇用主は、働く環境を提供する努力をしなくてはいけなくなりました。

① 70歳までの定年引き上げ

知識を伝えたり、大切な働き手を流出させたりしないため、退職の年を変更すること。

② 定年制の廃止

有益な経験を持つ社員の退職を防ぐため、この制度をなくすこと。

③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入

高年齢者が希望する場合、続けて70歳まで雇用する制度。
また、グループ会社やグループ会社以外で、引き続いた雇用を行うこと 。

なお、グループ会社またはグループ会社以外(以下移動先)において、雇用をする場合は、移動先の会社との間で、約束を取り交わす必要があります。

④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

事業主が、新しく事業を始める高年齢者に仕事を任せる契約をすること。

⑤ 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

  • 事業主が自ら実施する社会貢献事業
  • 事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

④と⑤は、働いている半分以上の人たちの同意が必要になります。

シニアの再就職は国が全面的に支援している

政府は、賃金アップ、そして円滑な(※)労働移動を促進するために、「5年間で1兆円」というリスキリングの方針を決定。また、高年齢者のリスキリングのために、さまざまなキャリアアップの支援を行っています。

労働移動とは:働きやすく、より良い条件探して、会社を変わること

「最大70%の給付!」リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

何かを学ぼうとしたとき、一番のネックは受講料ではないでしょうか?学びたい気持ちは大きいけれど、先立つものがない。

しかし、この支援を使うことで経済的負担が軽く、リスキリングできるのです。

転職を実現し、継続就業すれば、最大56万円の補助
補助事業者経由で受講費用の負担が軽減されます。補助事業者には以下の金額が補助され、受講者はそれ以上の負担が軽減された価格で講座を受講することが可能です。

  • リスキリング講座の受講を修了した場合:
    講座の受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)
  • リスキリング講座の受講を経て実際に転職し、その後1年間継続的に転職先に就業していることを確認できる場合:
    追加的に講座の受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円)
経済産業省リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 転職をご検討の方

さらに、補助事業者は、受講者に次の①~④の全てを実施しなくてはいけません

経済産業政策局作成、キャリア相談からフォローアップまで
経済産業政策局 産業人材課 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について

従業員の人材育成、スキルアップに人材開発支援助成金を活用

従業員の人材を育成したり、スキルアップしたりするために、申請することができる助成金。

人材の育成やスキルアップなどを計画したり、実施したりした場合、かかった経費や訓練をしている間の一部賃金などを助成する制度です。

厚労省の人材開発支援助成金

【まとめ】60代からリスキリングは遅くない、むしろチャンス!

【まとめ】60代からリスキリングは遅くない、むしろチャンス!

60代からリスキリングを始めても、全く遅くありません。

  1. 加齢による能力の衰えの違い、「流動性知能」と「結晶性知能」がある。
    そのため、プラスに働く分野を学べば、60代からでも能力を発揮することができるから。
  2. 法律が改正されて、長く働けるようになったから。
  3. キャリアアップ支援事業や、スキルアップ助成金など、シニアの再就職を国が全面的に支援しているから。

60代のリスキリングは、周りから一歩リードするためのチャンスです。

率先して学ぶことで、これから先、仕事の選択肢が大きく変わってくるでしょう。上記のポイントをうまく使いながら、リスキリングに取り組んでみてください。

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