「リスキリング」はよく「学び直し」と言われます。
近年このリスキリングという言葉がよく聞かれるようになったのは、AIの進歩やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などにより、これまでのビジネススタイルが大きく変わりつつありるからです。
その中でもスタートアップ企業は、急激なビジネスの変化に対応し成長していくためにリスキリングを行うべきです。
今回は、リスキリングをスタートアップ企業がすべき理由5選を紹介します。
①補助金が出る←安くスキルを買える!
リスキリングのために、国や行政がさまざまな施策を実施しています。
DXリスキリング助成金
東京都が管轄する制度で、東京都内の中小企業、個人事業主が対象です。
自社の従業員に対して、民間の教育機関などが提供するデジタル分野に関連した講座を受講した際にかかる必要経費が助成されます。
支給条件は以下の通りです。
・都内に本社又は事業所(支店・営業所等)の登記があること
公益財団法人東京しごと財団
・訓練に要する経費を従業員に負担させていないこと
・助成を受けようとする訓練について国又は地方公共団体から助成を受けていないこと 等
助成額は助成対象経費の3分の2、助成限度額は年間64万円
人材開発助成金
厚生労働省が推進する制度で、正規雇用の従業員が対象です。
事業主が雇用する従業員に対して、業務に関連した専門的な知識や技術を習得させるために、計画的に職業訓練を行った際の経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。
需給できる事業主や支給対象訓練コースについては、細かな条件があります。
詳細:人材開発支援助成金
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
経済産業省が推進する制度で、正規・非正規にかかわらず、雇用保険の被保険者が対象です。
「キャリア相談」、「リスキリング」、「転職支援」を一体で支援するサービスを提供する事業者に対して補助を行う事業です。
- リスキリング講座の受講を修了した場合:講座の費用の50%(最大40万円)
- 講座受講後に転職して、1年間継続的に就業した場合:追加で講座の費用の20%(最大16万円)
つまり、最大で受講料の70%(56万円)が支給されます。
②DXの営業ができるようになる!
自社でリスキリングを行えば、その経験からDXに取り組みたいと考える経営者に対して、コンサルティングというサービスを提供できるようになります。
日本全国の中小企業の生産性向上コンサル営業活動ができるかも!?
わが社でもリスキリングを行いたいけれど、どうすればいいのかわからない
リスキリングの必要性を理解していても、どのように進めるのか、どんな人材や技術が必要となるのかわからないという経営者もいらっしゃいます。
そのような会社を対象に、自社の経験を元にサービスを提供できるようになります。
リスキリングを行うことで、新しい営業活動のチャンスを掴めるかも知れません。
③目立つ!
リスキリングに対する取り組みを行っている会社はまだ少数です。
自社でリスキリングを行うことがアピールとなり、目立つことができます。
リスキリングの取り組みをしている企業は注目される!
リスキリングを行うと、通信講座の紹介サイトや求人サイト等に企業名が掲載されることもあります。
複数の媒体で社名を目にする機会が増えるので、世間の知名度が上がります。
会社の知名度が上がり世間から注目されるようになると、以下の効果が期待できます。
- 売り上げの増加につながる
名前を知らない会社の製品を購入したりサービス利用したりすることは躊躇してしまいますよね?
ですが、世間に知られている会社の場合、それだけで購入や利用に対する抵抗が下がります。
知名度が上がることで、売上の増加につなげることができます。
- 人材獲得につながる
求人サイトを見た時に名前を知っている会社の求人には興味を持ってしまいませんか?
知らない会社への応募に比べて、応募しようという気持ちにもなりやすいでしょう。
知名度を上げることは、優秀な人材の獲得にもつながります。
- 資金獲得につながる
知名度が上がると、金融機関からの評価や信頼も高くなります。
その結果、投資が受けやすくなったり、助成金や補助金の承認も下りやすくなったりします。
知名度を上げることが、経営資金獲得のためにも役立ちます。
④採用コストが抑えられる
リスキリングを行うことで、在籍中の社員がスキルアップします。
その結果として、採用コストを抑えることができます。
新しい人材採用のお金がかからない!
リスキリングを行うことは、新しい人材の採用コストを抑えることに繋がります。
- 在籍中の社員に仕事を任せられるようになる
DXの知識や技術を持つ優秀な人材は、複数の企業からオファーがかかります。
そのような人材を他社に取られないようにするには、採用に予想以上の費用がかかることもあるでしょう。
しかし、リスキリングで在籍中の社員をスキルアップさせることができればどうでしょうか?
新しいスキルを得ることで業務の効率が上がり、他の業務を任せられるようになります。
そうなると新たな人材を雇用する必要がなくなります。
- 学んだことをすぐに業務に活かせる
新入社員を採用して一人前の業務を任せようとすると、自社の歴史や文化、業務のやり方を理解するためにある程度の期間が必要になります。
ですが在籍中の社員がリスキリングを行うと、その時間が省けます。
これまでの知識や経験があるため、すぐに業務に役立てることができます。
他にも、リスキリングで得たスキルを活かせる部署に異動させることで、新入社員を採用しなくても人材不足を解消できます。
⑤時代の波に乗れる!
IT技術は常に進化し続けているので、最新情報が身に付けられると時代の波に乗ることができます。
AIやDXのスキルは今世界で一番求められている
AIやDXのスキルを身につけると、
- これまで人間が行っていた作業をAIに置き換えることができる
- 生産性が向上する
- 人件費が削減できる
- 労働力不足が解消できる
など、会社を継続させる上で不可欠と言えることばかりです。
【まとめ】スタートアップ企業のリスキリング
今回は、 リスキリングをスタートアップ企業がすべき理由5選を紹介しました。
国としてリスキリングを推奨しているので、更にメジャーになっていくことでしょう。
リスキリングが必要な理由を理解して、会社全体でリスキリングの実施を検討してみてはいかがでしょうか。
でも実際にリスキリングをすると、どんないいことがあるの?