昨今、コロナ禍からの不景気、物価高、円安が続き、家計を圧迫していく現状に世間では政府を批判する声が高まってきています。
そんな中、政府は2022年秋に『リスキング』に今後5年で1兆円を投資すると発表しました。
リスキリングでDX人材になれば稼げる?
『リスキング』とは、Re+skill+ingで直訳するとスキルを学び直すという意味になります。
今まで企業が行ってきたOJTでは、すでに今ある業務を上司や先輩から学ぶという教育訓練でした。
対して『リスキング』は、社内にはない新しい分野を学び、企業の発展や経営戦略実現を促す働きがあります。
スキル・キャリアアップができる
今までは自社の業務に追われ、キャリアアップのための勉強ができなかった人もいることでしょう。
しかし、リスキングの導入により、業務内であっても新しい分野にチャレンジすることができるようになりました。
また、今後必要になる知識やスキルを習得するため、内部ではなく外部からの人材教育を推進する企業も増えつつあります。
業務時間内に、新たなスキルを学べてキャリアアップできるなんて最高!
それにより、専門性の高い仕事を任されたり、ポジションや年収が上がったりすることも考えられます。
企業にとってリスキングは、既存社員に行うことによって新たな人材を確保しなくて済むというメリットもあります。新たな分野を開拓するために、今いる社員の能力を向上させることは採用コストを減らしながら、自社の発展を促すものになります。
転職しやすい人材になれる
自社ではリスキングを導入する方向に進んでない!という方もいらっしゃるのが現状です。
そんな方にもリスキング補助金は個人の方にも対応しています。
個人向けには、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座」や厚生労働省の「専門実践教育訓練」があります。個人の補助金対象者は、雇用保険に2年以上加入していることが条件になります。
企業だけではなくて個人にも補助金が出るんだね!
特定の分野で知識やスキルを高めれば、即戦力となるため、転職は有利になります。企業側から引く手あまたとなり、年齢性別関係なく現職よりも高いポジションに就けるでしょう。
(総じて)給与所得がアップする可能性大
今のスキルのままでいくと、そのスキルは1~2年で廃れていくという見解もあります。そうなればポジションは変わらないどころか給与すら上がらない可能性もあります。
そんな中、今とは異なる新しい知識やスキルを身に付けて自社に貢献することができれば年収大幅アップは見込めますし、転職しても現状よりさらに好待遇が期待できます。
そもそもリスキリングのDXって何を指すの?
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略になります。
経済産業省では、DXの意味として、
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争性の優位性を確立すること。
参照:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドラインVer.1.0(2018,経済水産省)
を定義としています。
かみ砕くと、デジタル技術を用いて、企業のビジネスモデルを変革することです。
これからの時代はデジタルの導入とともに事業の仕組みが大きく変化していくと考えられています。そのデジタル技術を活かして企業を成長させる人材が必要になっています。
パソコンを使って業務の生産性をアップさせるスキル
今のところデジタルと関わりがない、という職場でも今後関係してくるようになります。
今後数年で、デジタル技術に対応せざるを得ない状況になってきます。
人手不足や専門性の高い人材が必要など、企業によって導入理由は様々ですが、これからは生産性をアップする技術が求められます。
技術者にならないまでも導入時に困らないくらいにデジタルスキルを学んでおくことで、企業にとって必要な人材となれるでしょう。
アナログ⇒デジタルの活用ができる人材育成が大切
2020年初頭に発生した新型コロナにより、企業は働き方を変えざるを得ませんでした。
それは、テレワークもしかり、飲食店においてはアプリやオンライン注文、アパレル業界においてはECサイト運営など、今までの働き方が変わる起点となりました。
これにより、これまで人が行っていた作業を自動化するツールを使用することにより、作業時間が減り、無駄をなくせました。つまり、コストを減らせるのです。また、ミスも少なくなり、生産性の向上が狙えます。
そのためにはデジタルに強く、それを運用して企業を発展させる人材教育が必要なのです。
リスキリングにおススメのDX関係の資格7選
リスキングでDX人材になるって一体何を学んだらいいの?
これからの時代にどんな知識やスキルが求められるのか、しっかりと見極めて勉強する必要があります。そこで特におススメの資格を7つご紹介します。
①DX検定
日本イノベーション融合学会が認定する民間資格です。社会やビジネスの発展に必要なデジタル技術やITのトレンドを幅広く問う検定になります。
- 開催日程:年2回(1月・7月)
- 合格ライン:1,000スコアのうち600スコア以上で合格。
- 合格者数:毎年約30~50%弱が合格(合格者にはレベル認定が付与され、スタンダード・エキスパート・プロフェッショナルがある)
- 試験会場:Web開催
②デジタルトランスフォーメーション検定
一般財団法人 全日本情報学習振興協会が認定する資格です。この資格は2つに分かれています。
DX推進アドバイザー認定試験
DXを導入しようとする企業や担当者などに議論やアドバイスできる人材を目指す資格です。基本的な知識を問います。
- 開催日程:年4回(3月・6月・9月・12月)
- 合格ライン:100問中70%以上で合格
- 合格率:70~90%
- 試験会場:全国の11か所の会場+オンライン受験
DXオフィサー認定試験
上記のDX推進アドバイザー認定試験と同じように、DXを導入しようとする企業や担当者にアドバイスをする人材を目指しますが、こちらは応用問題のため難易度はかなり高くなっています。
- 開催日程:年1回(2月)
- 合格ライン:900点中70%以上で合格
- 合格率:不明(公開されていませんが、応用ということで、DX推進アドバイザーより低いことが予想されます)
- 試験会場:全国10か所+オンライン受験
③ITコーディネータ試験
特定非営利活動法人 ITコーディネーター協会の認定する資格です。IT利用活用に向けて、経営者側にアドバイスや支援を行う人材を目指す資格です。
- 開催日程:年3回(2月・5月・9月)
- 合格ライン:100点中60点以上
- 合格率:50~70%
- 試験会場:全国300か所の試験会場
④データベーススペシャリスト試験
情報処理技術者試験の一区分で、経済産業省が認定している国家資格です。データベースの知識を活用して、システムの企画・運用・開発・保守に携わる人材を目指す資格です。
- 開催日程:年1回(10月頃)
- 合格ライン:午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つ全て100点中60%以上
- 合格率:15%前後
- 試験会場:全国47都道府県の主要都市
⑤AWS認定試験
Amazonが提供するクラウドワークスの専門知識とスキルを評価する認定試験です。
現在、特定分野のスキルを検証するため、11の認定区分が存在します。今回はその中でも基礎レベルにあたるクラウドプラクティショナーをご紹介します。
クラウドプラクティショナー
クラウドの概念、セキュリティやテクノロジーを問う試験になります。
- 開催日程:随時
- 合格ライン:1000点中700点以上
- 合格率:不明(公開されてはいませんが、初級ということもあり、低くはないようです)
- 試験会場:全国にあるピアソンVUEセンター
⑥ITストラテジスト試験
データスペシャリスト試験と同じ難易度の高い国家資格です。ITを活用した事業革新・改革、製品やサービスを開発、企画を支援する業務に従事する人材を目指す資格になります。
- 開催日程:年1回(4月)
- 合格ライン:午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰは100点中60点以上、午後ⅡはAランク(A~D)で合格
- 合格率:15%前後
- 試験会場:全国主要都市
⑦AI実装検定
AI実装検定実行委員会が主催する資格です。AIに関するAI初学者からビジネスレベルの知識を問います。難易度の高い順にS級・A級・B級に分かれています。
- 開催日程:各級により異なる(S級は年1回、A,B級は年2回)
- 合格ライン:各回ごとの基準点
- 合格率:各級70%以上
- 試験会場:全国の会場+オンライン試験
【まとめ】リスキリングによる産業のDX化は日本政府が推進
いかがでしたでしょうか。
政府が『リスキング』支援を推進する理由は、新しい知識やスキルを身に付けることで、人手不足を補い、生産性を上げ、社会全体の賃上げを狙っているためでしたね。
これからの時代、デジタル知識を運用し、企業を成長させる人材が求められます。
最後にいろいろな資格をご紹介しましたが、興味のあるものはぜひ勉強してみてください。
きっとこれからの時代に不可欠な知識やスキルを得られるはずです。
そして、企業に欠かせない人材となり、給与アップや転職に有利な自分になりましょう。
そもそも『リスキング』って何?それと経済成長にどんな関係があるの?