皆さんはリスキリングをご存知でしょうか?
この情報社会の世の中、あらゆるものが日進月歩で変化、発展を繰り返しています。
その変化や発展に対応するために新しい知識やスキルを学ぶことをリスキリングというのですが、このリスキリングのための講座を開設している大学が最近需要に伴って増えてきているのです。
そこで今回は、どの大学でどんなリスキリングの講座が行われているのかご紹介したいと思います!
全国の大学がリスキリング講座を開設
まずはどの大学で、どのようなリスキリング講座が開設されているのかを見ていきましょう。
三重大学
工業系のリスキリング講座を支援
地域の自治体や企業などからニーズを詳細に聞き出し、「オーダーメードプログラム」を開始しました。これは大学の授業を大学生のみではなく企業の社員も聴講できるもので、ロボット工学や機械力学といった工学分野、さらに食品衛生や経営など多岐にわたって講座が展開されています。
中央大学
働きながら学ぶ法律(通信教育)
スクーリングの受講、レポート学習を組み合わせて学ぶことが出来ます。「働きながら知識を得たい」、「業務に活かせるスキルを身に着けたい」という社会人が80%を占めている事からその人気を窺い知ることができますね。
参考:
https://www.chuo-u.ac.jp/academics/faculties/correspondence/voice/
大学院もリスキリングの新コースを設立
実は、より高度で専門的な知識や能力を身に着けられる大学院でもリスキリングが可能なです。以下、一部をご紹介いたします!
横浜国立大学ではデータサイエンスの社会人のための学びを提供
横浜国立大学大学院では、経済学の専門性や情報処理・統計分析能力を身に着けることができる新コースが開設されています。こちらは2023年4月から始まっており、ここでスキルを磨くことでビジネス上でも活躍できる人材への一歩となることでしょう。ちなみにコースは2通りあり、企業の調査研究職や官公庁の政策担当者などに向いている「経済のData Science」コースと、自治体の実務担当者などに向いている「地域政策Data Science」コースがありますので、自分に合ったコースを選べます。
参考:
https://www.economics.ynu.ac.jp/education/reskilling/
なぜ大学がリスキリングに参入しているのか?
さて、これまでリスキリング講座を開設している大学や大学院をご紹介しました。
しかし、そもそもなぜ大学がリスキリングに参入しているのでしょうか?
これには理由がありました。
政府の補助金・助成金が豊富
実はリスキリングで新たな知識を得て生産性の向上が見込めれば、その分社会全体での賃上げにも繋がるのです。さらに日本では、年功序列といった日本らしいともいえる文化が昔からあり、新しく知識を得ようとしなくても終身雇用など長期で安定して働くことができていました。
これが個人や企業の成長を停滞させる要因となっており、政府はそこにメスを入れようとしているのです。
その結果として政府は「人への投資」として個人や企業への助成を拡充しており、その種類は様々で、各方面から支援の手が差し伸べられています。
経済産業省
キャリアアップ支援事業
リスキリング講座の対象はウェブデザインや動画制作、プログラミングなど限定されてはいますが、講座の受講料の2分の1相当額(上限40万)が助成されます。さらにリスキリングを経て実際に転職後、1年継続して就業していることを確認できる場合、講座の受講料の5分の1相当額(上限16万)が追加で助成されるとのこと。
共同講座創造支援事業
大学や高等専門学校などで共同講座を開設する費用を3000万を上限に、費用の一部を補助してくれます。さらに、この共同講座を受講した従業員のリスキリングの成果を評価し、待遇に反映する取り組みに3000万を上限に補助されます。
デジタル人材プラットフォーム
講座の情報を提供してくれるポータルサイト「マナビDX」というものがあり、デジタルに関する知識やスキルを身につけたいと考えた際に検討材料の一つとして使えます。
第四次産業革命スキル習得講座認定制度
これはITやデータを中心とした分野で、社会人のキャリアアップを図る実践的で専門性のある講座を経済産業大臣が認定する制度です。認定された講座は厚生労働省が実施している人材開発支援助成金や教育給付金などの助成対象となっています。
厚生労働省
教育訓練給付金
資格取得にかかった費用の一部を国が負担してくれる制度で、講座や大学・大学院などを受講、修了した際に利用できます。支給額の上限は10万、20万と他の制度と比較して高いのが特徴です。
人材開発支援助成金
事業主が従業員に職業訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成してくれる制度です。
文部科学省
成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業
AIやデジタル・グリーンなどの成長分野で即戦力となる人材を育てるため、大学や高等専門学校に対してリカレント教育プログラムを展開する支援をする事業です。
その他各種大学のリスキリングの取り組み
この他にも様々な大学でリスキリングの講座が開設されています。
以下、一部をご紹介いたします。
大阪大学
理工系のナノサイエンス分野において、平日(月曜日~金曜日)の夜間講義と土曜日に集中講義や実習を実施しています。
東北大学
オンデマンドによる学習とzoomでの2週間に1回の実習を組み合わせた企業向けの「実践トレーニングコース」や講師が企業のプロジェクトにコーチとして参画し支援する「個別プロジェクト支援コース」があります。
東京大学
「web工学とビジネスモデル」「近未来金融システムの創成」「グローバル消費インテリジェンス」などの講座があります。なお、受講するには法人単位での会員にならなければいけません。
徳島大学
「エンゲージメントマネジメント実践講座」が開設されており、社員が自社に対して課題の把握や解決策の探索力を向上させたり、解決策のプレゼンテーション力を上げることに重点を置いた実践的な仕様となっています。
電気通信大学
「データサイエンス基礎講座」と「独り立ちデータサイエンティスト養成講座」の2つのリスキリング講座があります。どちらも今の時代に即しており、データサイエンス業務に活かせるスキルを身に着けることができます。
名古屋工業大学
自社の機能を可視化できるスキルが身につく「自社機能の棚卸コース」と自社の強みや弱みを可視化できるスキルが身につく「実践MOTコース」、さらに新規事業の構想を練るのに必要なスキルが身につく「新規事業構想コース」があります。
東京理科大学
「新規ビジネス創造コース」と「データサイエンスコース」の2つがあります。さらにそこから大学内のオープンカレッジで開講するビジネス講座から自分に必要な科目を自由に選択することができるんです。
まとめ【大学でリスキリング!】
ここまで、大学で開設されているリスキリングについてお伝えしました。
IT技術の進化によって社会環境も次々と変化していくため、対応していくスキルを身につける必要性を感じている社会人の方も多いのではないでしょうか。
大学では、「もっとスキルアップしたい」と願う社会人のために全国各地で門戸を開いています。もし少しでも興味があるのなら、一度検討してみるのも良いかもしれません。
また、その際は政府の補助金・助成金もあるのでリスキリングを始める前に支給対象になりそうか、ぜひ確認してみてくださいね!
参考:
https://reskill.nikkei.com/article/DGXZQOLM067DP0W3A600C2000000/
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