ダボス会議でリスキリングは人材戦略と提唱←4つの重要ポイント

世界経済フォーラム(WEF)が主催するダボス会議で、リスキリングが人材戦略の中核となるべきだという提言がなされました。

リスキリングとは、従業員のスキルを新しい技術や業務に合わせて更新すること。

この記事では、ダボス会議で発表されたリスキリングを人材戦略として採用する際の4つの重要ポイントについてご紹介します。

ダボス会議で「リスキリング革命」が発表

「リスキリング革命」とは?

ダボス会議で発表された「リスキリング革命」は、第四次産業革命に伴う技術の変化に対応した新たなスキルを獲得するための取り組みです。

「第四次産業革命」とは、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどの技術が急速に進歩し、社会・経済の構造が大きく変革する時代のこと!

この取り組みは、350を超える組織と連携し、仕事の未来に求められるスキルを持つグローバル人材の育成に取り組んでいます。

今後、企業は個人が時代の変化に合わせて獲得したスキルを十分に発揮できる環境の整備を、リスキリングの取り組みと並行して進めていく必要があります。

「2030年までに10億人のリスキル」と提唱

WEFは、2030年までに10億人のリスキルを目指すという野心的な計画を発表しました。

WEFは、コロナ禍で多くの人々が失業や貧困に陥っている中、リスキルが経済的・社会的な回復に不可欠だと主張。

また、政府、企業、教育機関、市民社会などの多様なパートナーと協力して、リスキルの機会や質を向上させるための取り組みを推進するとのこと。

日本も経済産業省が「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を立ちあげ

日本でも、第四次産業革命に対応するため、経済産業省が2019年に「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を開始しました。

通称、「Reスキル講座」とも言います!

この制度は、人工知能やビッグデータなどの先端技術に関するスキルを身につけることができる講座を認定し、受講者には修了証を発行するというもの。

認定講座は、オンラインや対面で提供されており、受講料は無料または低額です。

この制度の目的として、第四次産業革命に必要な人材を育成し、日本の産業競争力を高めることが挙げられています。

2023ダボス会議のリスキリングに関する4つの重要ポイント

①「人を中心に置く」

人を個人として大事にする

リスキリングにおいては、人を個人として尊重し、その能力や可能性を最大限に引き出すことが重要です。

これには、従来の教育や研修の枠組みを超えて、一人ひとりのニーズに合わせた学びの機会を提供する必要があります。

従業員の個人価値を認識し、給与に留まらず、彼らが活躍し、成長し、本来の自分らしさを発揮できる環境を整えることが不可欠であり、経営陣の共感が不可欠です。

これは、従業員の定着と退職決定において重要な要因となります。

②「スキルが新たな通貨となる」

雇用主は資格や学位以外にも目を向けるべき

テクノロジーの進化と社会の変化により、求められるスキルは絶えず変わっています。そのため、個人は新しいスキルを獲得して、更新し続ける必要があります。

同時に、雇用主も資格や学位だけでなく、スキルと経験を採用の際には重視する必要があります。

これは変化し続ける職業環境において、従業員も変化に適応できるようにするためのものです。

スキル不足の問題は、将来のスキルを保証することではなく、生涯学習の機会を提供し、柔軟で適応力のある、アジャイルな働き手を育てることによって解決されるべきものです。

③「スキルを代替するのではなく、育成するためのテクノロジー」

「テクノロジーは人財に取って代わることはできない」

テクノロジーは、リスキリングの新たな可能性を開拓するツールとして重要です。オンライン学習や仮想体験学習などを通じて、これまで難しかった学びを実現できます。

重要なのはテクノロジーは単なるツールであり、人財を育てるための手段である、という視点!

テクノロジーは人財を代替するものではなく、むしろ人財のスキル向上を促進する役割を果たします。

ARやAIなどのテクノロジーは、大規模なスキルアップを迅速に実現し、広範囲で人材開発を行うことを可能にします。

④「未来はすべての人に役立つものでなければならない」

世代やジェンダー格差の解消を

仕事の世界においては、いくつかの分断があり、テクノロジーの進化や社会の変化は、仕事の世界に大きな変化をもたらしています。

このような変化の中で、世代やジェンダーによって、新しいスキルや能力を身につける機会に格差が生じる可能性も。

例えば、若年層はデジタルネイティブであり、新しいスキルや能力を身につけることに比較的有利な立場にあります。

一方、中高年層は、これまで培ってきたスキルや能力が、新たな仕事に求められない可能性があります。

また、女性は、育児や介護などによって、仕事の時間が制限されることも。

このような世代やジェンダー格差の分断をなくすためには、誰もが生涯を通じて学ぶ機会を得られる環境を整えることが重要となってきます。

【まとめ】ダボス会議で提唱されたリスキリング

今回、ダボス会議のリスキリングに関する4つの重要ポイントについてご紹介しました。

  1. 「人を中心に置く」
  2. 「スキルが新たな通貨となる」
  3. 「スキルを代替するのではなく、育成するためのテクノロジー」
  4. 「未来はすべての人に役立つものでなければならない」

これらのポイントは、いずれも、これからの社会で求められるスキルや働き方を考える上で重要な指針となるものです。

これらの4つの重要ポイントを踏まえて、これからの社会で求められるリスキリングを実現するためには、政府や企業、個人などがそれぞれに取り組む必要があります。

企業は、社員のスキルアップやキャリアアップを支援するための取り組みを進めていく必要があります。そして、個人は、自ら学び続ける姿勢を身につける必要があります。

これらの取り組みを通じて、誰もが未来を切り拓くことができる社会を実現するために、私たち一人ひとりが行動していきましょう。

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