最近、社会人のリスキリングがますます必要とされ、今持っているスキルと並行して、新しいスキルを習得する人が増えています。
ただしリスキリングは主に、DX(デジタルトランスフォーメーション)化による新業務に対応することや、必要となるスキルの習得を目的としています。
そのため、対象者は「すでにデジタルスキルを持っている人」「ほとんど男性」というイメージが強いと思います。
結論を言えば、女性におすすめのリスキリング分野はあります。
今回は、社会でさらに活躍したい、働く女性にぴったりのリスキリング分野をご紹介します。
女性にぴったりのリスキリング分野7選
リスキリングは、「新しい職業に就くために、または、今の職業で必要なスキルの大幅な変化に適応するために、新しいスキルを獲得すること」です。
DXスキルはもちろんですが、他の分野でも専門的なスキルを持った人材は求められています。
その中でも女性におすすめしたい分野を7つ、まとめてみました。
①女性によるDXスキル
近年DXの推進に取り組む企業が増えており、専門的なデジタルスキルを身に着けた人材や、DXの取り組みをリードできる人材は、ますます求められています。
これまで、デジタルスキルを使う職種は男性が多いと思われてきましたが、人材の不足もあり、今後は女性の活躍が期待されています。
女性が現場でリーダーシップを発揮できるように!
日本女子大学は、2023年10月から、社会人女性を対象にした教育課程である、「次世代リーダーを目指す女性のためのDX人材育成コース」を新たに開講します。
このプログラムは、デジタル分野におけるジェンダーギャップを解消し、さまざまな業界や職種で、DX推進にリーダーシップを発揮できる女性を育成することを目的としています。
身に着けられるスキルとしては、ITSS(ITスキル標準)レベル2相当、マネジメント面ではITSS レベル4相当としており、終了後は各業界で不足しているデジタル人材となり、活躍することが想定されています。
DX検定の資格がおススメ!
具体的に、DX人材になるためにはどんな資格があったら良いの?
まず取得する資格としては、DXに関する知識を正しく理解していることが証明できる「DX検定」がオススメです。
DX検定とは?
日本イノベーション融合学会が認定する民間資格。DX人材を育成したい企業を対象に、
「先端IT技術トレンド」と「ビジネストレンド」を幅広く問う知識検定。
DX検定は、600点を合格ラインとして、合格者に4段階のスコアに応じた認定証を発行します。
過去受験者のアンケートから、やや難易度の高い検定と言えそうですが、合格すれば、DXの知識があることを客観的に証明できるため、社内でのキャリアアップや転職に役立ち、活躍の場が一段と広がりそうです。
【DX検定】
・試験日程:年2 回(1 月・7 月)
・出題範囲:先端IT技術トレンドとビジネストレンド
・合格ライン:600点(1000点満点)
②子育てママでも簡単に取得できるMOS
女性が挑戦しやすい資格として、「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」がおすすめです。
MOSは、MicrosoftのExcelやWord、PowerPointなどが使えることを証明する資格です。
ExcelやWordはほとんどの企業が使用しており、幅広く事務系の仕事をしたい人は、取得すると就職や転職に有利です。
ブランクありの社会復帰でも安心
子育てや介護などで一度仕事から離れた人は、ブランクがあるため就職活動の不安が大きいかもしれません。
そんな社会復帰にぴったりの資格がMOSです。前職で使用経験があれば、難易度はそこまで高いものではありません。
また、社内で資格を活かせる場面が多く、資格があると自信を持って就職活動ができます。
前職でWordやExcelを使っていた人が、育休や休職を機に資格を取るケースも多いようですよ!
基本的なパソコンスキルが身に着けられる!
実は最近スマートフォンの普及によって、パソコン自体を持っておらず、基本的な操作ができない人が増えているようです。
そのため、MOS資格を持っている人は、パソコンの基本的な操作にくわえて、ExcelやWordが使用できるという一定の業務レベルを証明できます。
従業員にMOS資格の取得を推奨している企業もあるため、社会人としての信用度が上がり、就職先の幅が広がります。
【MOS】
・試験日程:毎月1~2回、日曜日(全国一斉試験)
・出題範囲:Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlook
※Word・Excel・Accessは一般レベル試験と上級レベル試験あり。
・合格ライン:1000点万点中700点
③フリーランスも目指せるデザインのスキル
グラフィックデザイナーなど、女性に人気が高いデザインの仕事は、センスを活かして働くことができるうえ、多様な働き方がかないやすい職種です。
資格は必ずしも必要ではありませんが、スキルの向上やモチベーションアップにつながります。
アドビ認定プロフェッショナル
「アドビ認定プロフェッショナル」は、アドビ社が公認する国際認定資格で、認定されるとアドビのグラフィック系アプリケーションの基本的な活用スキルを証明できます。
初心者向けの資格であり、これからデザイン系の学習を始めたい人にもおすすめです。
また、PhotoshopやIllustratorは、デザイン以外にも、営業や設計などで使用する場合もあるため、就職活動において、複数の部門へ向けて、知識やスキルがあることをアピールできます。
【アドビ認定プロフェッショナル】
・試験日程:日曜日・祝日を除く月曜日から土曜日
・出題科目:Photoshop・Illustrator・Premiere Pro
※受験する科目数は自由に選択可能。合格はアプリケーションごとに認定。
・合格ライン:非公開
スキマ時間にデザインのお仕事ができる!
最近は、デザインの仕事を副業にする人も増えています。
クラウドソーシングサイトなどで募集される、イラストやロゴ作成のお仕事は、スキマ時間に働くことができるため、主婦の方のアルバイトやWワークとして人気があります。
こうした副業に応募する際も、スキルを証明できる資格があると、自信を持って挑戦できますよ!
④在宅ワークもできるWebデザインスキルは女性に人気
主にWebサイトの制作を手がけるWebデザイナーは、会社で働くだけでなく、在宅勤務やフリーランス働きやすい仕事です。
Webデザイナー検定を取るのもあり!
グラフィック系の資格のほかに、Webサイトの制作や運用に関わる「Webデザイナー検定」の取得もおすすめです。
「Webデザイナー検定」は、プロとしてWebに関わる人へ向けた、標準的知識を認定する試験です。
サイトのデザインや運用・評価まで、さまざまな知識が問われる内容であり、合格するとWebデザインの知識があり、サイトの保守や運用についても理解できていると証明する材料になります。
【Webデザイナー検定】
・試験日程:年2 回(7月・11 月)
・出題範囲:Web制作における企画やデザインなどに関する基本的な知識(ベーシック)
※エキスパートは、さらに深い専門的な知識とそれらを応用する知識
・合格ライン:70点(100点満点)
自分でブログを立ち上げるのもあり!
Webデザインのスキルを身に着ければ、自分でブログを立ち上げて、収益化に挑戦することも可能です。
個人のブログでも、アフィリエイトやGoogleアドセンスの広告収入で報酬を得られる仕組みがあるため、しっかり学んでサイトを運営すれば、先々、大きな収入を得られる可能性があります。
また、発信したいコンテンツがある人にとっては長く楽しめる趣味にもなります。
⑤育児の専門資格
子育て経験のある女性には、自分自身の経験に直結する、育児関連の資格もおすすめです。
子育てスキルを専門にするのもあり!
最近では、共働き家庭やシングル家庭など、子育てと仕事を両立する親がますます増えており、子育て支援の現場では、「育児の専門家」が必要とされています。
こうした背景から、自身の子育ての経験を専門のスキルとして身に着け、仕事として活かしていくのも働き方の1つです。
育児セラピスト
「育児セラピスト」は、「一般社団法人日本アタッチメント育児協会」が認定する、子育ての悩みを解決する役割を担う資格で、父親・母親など、育児に携わる人にとっての『育児の専門家』です。
看護師や保育士など、専門職の人が取得するケースが多いようですが、最近では有名な芸能人が資格を取っていることでも話題になり、育児関連施設で働く人や、個人で講師やセラピストを目指す人からも注目されています。
【育児セラピスト】
・申し込み:随時(Web・電話・FAX)
「育児セラピスト2級前期過程」「育児セラピスト1級後期過程」の受講終了後に認定試験あり。
⑥美容スキルはワンランク上の女性を目指せる
女性が大好きな美容の分野ですが、コスメや美容そのものを学ぶことで、スキンケアやメイクの悩みを解決するスキルを身に着け、ワンランク上の女性を目指すことができます。
日本化粧品検定
「日本化粧品検定」は、「一般社団法人日本化粧品検定協会」が認定する、文部科学省後援の検定試験です。
化粧品に関する幅広い知識の他にも、コスメや美容の正しい知識を有していることを証明できる人気の資格で、123万人を超える人が過去に受験しています。
美容関係者をはじめ、美容に興味がある一般の男女、学生にも人気の資格です。
資格を取得することで、キャリアアップやキャリアチェンジに役立てたり、コスメライターや講師として活躍する人も多いようです。
スキルアップとキレイを両立して、充実の生活を手に入れよう!
【日本化粧品検定】
・試験日程:年2 回(5月・11 月)
・出題範囲:肌の構造などの美容皮膚科学、化粧品の基礎知識、基本的なメイクアップ方法、正しいお手入れなどの美容方法、法律など。
・合格ライン:正答率70%前後
フェムテックブームで女性の新しいヘルスケア分野も注目
最近のフェムテックブームによって、女性の健康問題へ、関心や知識があることが認定される「フェムテックアンバサダー」も注目を集めています。
フェムテックとは?
「生理・月経」「妊活」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」など、女性特有の健康課題を、テクノロジーを用いて解決するための製品やサービス。
たとえば「オンラインピル診療サービス」や「妊活サポートサービス」など。
フェムテックアンバサダーは、「日本フェムテック協会認定資格」の3級試験に合格することで認定されます。
社会がジェンダーギャップの解消をすすめていくうえでも注目の資格であり、女性専用サロンのセラピストや、下着や化粧品メーカーの社員などで受験者が多いため、このような業界に関わりたい人には、おすすめの資格です。
【日本フェムテック協会認定資格】
・申し込み:随時(Web)
Eラーニングの講座受講終了後に認定試験あり。
⑦ITパスポート試験
情報系の資格としてよく知られる「ITパスポート」は、IT初心者向けの国家資格で、これから深く知識やスキルを身に着けていきたい人は、取得しておいて損はありません。
ITパスポートは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が実施し、経済産業省が認定する国家資格であり、「社会人として必要な情報技術に関する基礎知識」を有していることが証明されます。
IT系の資格としては難易度低めですが、国が認める資格であり、とてもメジャーな資格です。
はじめて情報系の勉強をする人がチャレンジしやすいところもメリットです。
【ITパスポート】
・試験日程:年2 回(4月・10月)
・出題範囲:情報技術に関する基礎知識
※ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)
・合格ライン:600点(1000点満点)
女性のITエンジニアは増加中!
近年、DX化が進む社会で、IT人材は今後不足傾向にあると言われています。
そのため、ITエンジニアとしてはこれまで少なかった、女性を採用ターゲットにする企業が増えています。
また、働く女性の中でも「コロナ禍を経てキャリアへの不安が増えた」など、働き方に対する考えの変化が生まれており、ITの専門的なスキルを学び直し、資格を取得する人が増えています。
今後、採用市場が活発になり、女性のITエンジニアはますます必要とされ、増加していくことが予想されます。
未経験のITエンジニア募集は、今後増えていくと言われいます!
現場レベルで活躍できるIT人材になれる
ITパスポートは、「IT入門編の資格」と言えますが、情報処理に関する仕事をするうえで困らない基礎知識を身に着けられるため、実際の業務には役立つ資格です。
資格があることで、IT系の現場において業務を円滑に行い、IT知識のコミュニケーションが取れると認めてもらうことができます。
今後DXの普及でさまざまな業務が変化すると考えられるため、資格を取得しておけば、総務や営業など、幅広い職種で活用できる可能性があります。
【まとめ】女性ならではリスキリングは可能性抜群!
リスキリングは、社会からの需要で企業が主導する学び直しですが、学ぶ人の主体性がなにより大切です。
主体的にスキルを身に着けるためには、できるだけ「自分の好きな分野」「自分に向いている分野」を選べたら、やる気を持って楽しめる学びになりますよね。
女性ならではの経験や特技を活かして、スキルアップに一歩踏み出しましょう!
女性が学びやすくて、キャリアアップ・キャリアチェンジにしっかり結びつくスキルってありませんか!?